領収証は確定申告で必要?提出方法は?保管方法や取り扱いまとめ 【確定申告シリーズ】
領収証はどういう風に貰えば良いのか?どう保管しておけば良いのか?そもそもレシートではダメなのか?など、いろいろ疑問に思うことは多いですよね?私も疑問に思っておりましたので、今回はそれをまとめました。
実は領収証は提出不要なんです
いきなりどストレートな答えから入りますが、確定申告時に領収証の提出は不要です。
え?不要なの??って思うかもしれませんが、それは「自分で計算して報告してね」というのが確定申告なんです。
「だったら領収書要らないやー、邪魔だし捨てちゃえー。数字もテキトーに書いちゃえばいいやー」は厳禁です!!!!
なぜなら税務署はチェックをして、怪しいと思う所へは調査が入るからです。その際に領収書が無いと・・・書いた数値は全部「ウソ」と判定され(本当に購入した費用であったとしても)、所得税額が変わり重い追徴課税があります。
というわけで、提出しないとはいえ、必ずキッチリと残すようにしておいて下さい。
領収書で必要なもの
レジで「領収書でお願いします」と言えば出てくる領収書。そこに書かれている内容はチェックしておいて下さい。
- 日付
- 宛名
- 金額
- 購入内容
- 発行人の名称や住所
以上の記載があるかどうかを確認しておいて下さい。
領収書が大量なんですけど…
目の前には領収書の山…
大前提として溜める前に帳簿に記載が基本です。
それがなかなかできないんです…と嘆く方も多いかと思います。気持ちはとてもよくわかります。
ただこれ、仮に2月や3月に1年分全てを一気に急いで入力していたとしましょう。
税務署側からすれば「去年1月の領収書の内容をしっかり覚えてる??」と疑問に思いますよね。
よく使われる定番の「お品代」
別に悪いことではありませんし、間違ったことではありません。
実際に事細かく書くほど大きな欄は用意されていませんし、それを書かせていると後ろにレジ待ちで並んでいる人の目線が痛い……。
なので、お品代と書かれることはとても多いです。
これは良いと思った解決策
領収書は提出はしません。なので逆に言えば、税務署側から質問された際に
「この領収書は〇〇の購入にかかった費用です」
と伝えて納得さえできればOKということ。
なので、領収書の裏に内容を記載しておきましょう。
例えば接待交際費である客先との打ち合わせに使った飲食代であれば、
「○○株式会社の○○部長と」
という記載をしておけば、誰との接待なのかが説明できます。
事務処理で使う備品を購入したのであれば
「ホッチキス・ボールペン・バインダー」
などという風に、購入した内容を記入しておきましょう。
よく「お品代」と記載されて領収書を受け取ることが多いですが、これで何を購入したのかが分かります。
なんにせよ「書いて記録として残す」ことを心がけます
領収書が無いものはどうすれば???
「領収書なんてお店で言えば出てくるから困らないでしょ??」と思いますよね?
実はいざフリーランスをやってみると、領収書が無いパターンは様々なときにあります。
- 領収書は発行できないと断られた場合
- インターネットでの商品購入
- 誤って領収書を紛失した場合
- 電車などの公共交通機関を利用した場合
- 自動販売機で購入した場合
- 客先へのご祝儀など
- 客先と割り勘にした接待交際費
などが挙げられます。
こういった場合であっても、様々な対処方法はありますが、できる限り「公的な機関や対人が発行した書類」があればそれを優先的に残すようにして下さい。
①クレジットカードなどの利用明細
クレジットカードを使って決済したものであれば、クレジットカード会社に記録が残ります。この利用履歴を問い合わせて郵送にて発行してもらう、またはWeb上からプリントアウトして、該当する履歴欄にチェックマーカーを付けておきます。理想としては事業用カードと私的利用のクレカの2枚所有しておき、完全に分けてしまう方が良いです。
電子マネーでも同じように利用履歴が確認できるようであれば、同様に処理します。
②ATMの振込明細
これもクレジットカードと同様に、振り込み処理が記録として残ります。できれば相手から受け取った請求書と一緒に保管しておく方が理想ですが、無ければ裏面にでもメモ書きして残しておきます。
③レシートを受け取った場合
ある意味これが一番の領収書かな?とも思います。日時・購入内容・購入価格が品目別に掲載されているため、むしろ合計額しか記入されていない領収書より詳しい情報書類です。
そしてレシートしか無い場合が稀にあります。臨時的な売店などであれば、レシートのみ発行されます。この場合は領収書と同じくそのまま保管しておいて問題無いものと思われます。ただし、日時や相手の名称など、領収書に記載されてある内容がレシートにも書かれてあるかどうか確認しておいて下さい。
④メールなどの画面プリントアウト
相手から送られてきたメールをプリントアウトしておきます。ネットショッピングであればPDFにて領収書がダウンロードできるサービスを展開している所も多いので、それをデータ保存しておきます。また、オークションなどのサービスであれば、スクリーンショットで残しておきます。
⑤自身で出金伝票を発行する
そしてどの方法でも残らない場合(公共交通機関の利用・客先へのご祝儀など)は、自分で出金伝票というものを作成して残します。ただしこれはあくまでも最終手段と思っておいて下さい。
なぜならば、他4つの方法と違って自分で書類を作るからです。
そして税務署側から見れば、改ざんしやすい書類は信用性に欠けます。
なので、出金伝票ばかりになるようなことは無いように気をつけましょう。
大きな金額の場合は必ず時間や手間がかかってでも領収書を発行してもらうようにして下さい。
また最低限、領収書を紛失したのが理由で出金伝票を発行することは避けて下さい。できれば『再発行』と表示されてしまってでも、出金伝票より再発行された領収書の方がまだマシかと思いますので、紛失の際は再発行してもらっておいて下さい。
領収書の保管方法
「提出するわけでは無いから、捨てずに置いていればそれで良いかー」ではありません。いざ税務署から質問された場合すぐに見せれるようにしておいて下さい。
でないと
「この人の管理能力は低い。ということは確定申告の書類も間違っている可能性があるから詳しい調査が必要だ」
と判断される可能性が高いです。
なので、あくまでも私の保管方法ですが、1年ごとに分けるのは言うまでもありませんが、月別に1つの束にして保管しています。12ヶ月あるので12個の束ですね。
これで「何年何月の領収書が確認したいのですが」と問い合わせがあれば、すぐに提出可能です。
また、感熱紙を使っているところも未だに多いため、太陽熱などで印字が飛ばないようにするために、冷暗所に保管しておいて下さい。意外と大事かと思います。
領収書の保管年数
領収書の保管は分かったけど、じゃあこれは一生…???
さすがにそんなことはありません。
基本的には7年間の保管となります。
青色申告であれば損益計算書と貸借対照表も作成していると思うので、
の合計5点を一つの場所にまとめて保管しておきましょう。
というわけで、今回は領収書についての疑問点とその解決方法を書き残しました。
それではまた。