一眼レフカメラ・レンズを経費にする方法 【確定申告シリーズ】
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☆ココ茸☆
10万円がチョイスの分かれ目!
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機材は仕事に使うのであれば、それを経費にすることができます!!
ただ、金額によってやり方が変わるので、具体的に書き残していきたいと思います。
- カメラの機材は経費にすることが可能
- まずは覚えておいて欲しい言葉「減価償却」
- 勘定科目はどうなるの?
- 疑問点「分けて買えばどうなるの…?」
- 30万未満には特例がある!!
- 更に20万未満にも特例が!!
- 金額判定って税込み?税抜き?
- まとめ
カメラの機材は経費にすることが可能
まずは大前提として、カメラやレンズ、三脚など、機材類は経費にすることができます。
「カメラマン」という職業があるぐらいなので、当然経費は可能です。
私の場合は写真を直接販売することは基本的には無いですが、それを素材として使って本を出版するため、同じように経費にすることが可能です。
まずは覚えておいて欲しい言葉「減価償却」
減価償却とは、建物や機材、身近なものでいえばパソコンやカメラなど、使っていくうちに価値が下がっていく(減少していく)資産を減価償却資産といいます。
減価償却は購入時は現金は一括で支出して減りますが、1つの期で費用にできるのは全額ではなく一部分だけになります。
勘定科目はどうなるの?
勘定科目は基本的に2種類に分かれます。
ここで判断するのは「10万円」未満か以上かです。
10万円以上は固定資産扱いになるため、
10万円未満:消耗品費
10万円以上:減価償却費
という風に会計処理します。
10万円未満の場合「消耗品費」
消耗品費は文字通り、消耗品扱いです。文房具やコピー用紙などが該当しますが、たとえカメラが9万円で購入しても、簿記上の処理では同じ消耗品です。
10万円以上の場合「減価償却費」
10万円以上は消耗品ではなく固定資産になります。
固定資産の場合は、消耗品のように一度に全額経費にするわけではありませんので、ここが消耗品と大きく違う点です。
固定資産は耐用年数というものがあり、購入した品物の内容によって決まっております。
今回はカメラの経費のお話であるため、ここで国税庁が出している耐用年数表を見てみましょう。
構造・用途 | 細目 | 耐用年数 |
---|
光学機器、写真 製作機器 |
カメラ、映画撮影機、映写機、望遠鏡 引伸機、焼付機、乾燥機、顕微鏡 |
5 8 |
カメラは【耐用年数5年】ということになります。
なので例えば15万円で購入した場合、それを5年間かけて減価償却(少しずつ経費として償却していくこと)していくことになるため、
15万円÷5年=3万円
3万円ずつ経費として処理していく会計処理になります。
固定資産として5年使うという想定になります。
疑問点「分けて買えばどうなるの…?」
ここで一つ疑問が出てきませんか?
例えば、カメラ本体は9万円して、レンズは6万円したとします。
セットで買えば15万円です。
ですが、別々に買えば…?どちらも10万円未満。
こういう場合は明確に固定資産か消耗品か分類するルールはありませんが、常識的に見て
- 1度に購入した(領収書やレシートが1つ)
- 分けて購入した(領収書やレシートがカメラ、レンズで別々)
によって、判断すると思ってもらえれば大丈夫かと思います。
もし自身が無くて不安という方は、こういった部分は最終的には税務署や税理士、または税理士会に相談するのが良いと思います。
領収書が一つの場合、「セットで買ったよね?」といざ税務署に指摘されても、ちゃんと明確な回答や税務署職員を納得させられる自身がある方は、10万オーバーでも消耗品扱いで処理してみて下さい。オススメはしませんが。。。
30万未満には特例がある!!
実は299,999円までであれば、一括で償却できる特例があります。
それが「少額減価償却資産制度」という制度。
これは一定の条件があるものの、基本的に個人事業主であれば税込30万未満のものは消耗品費と同じく一括償却することが可能です。
なので、節税効果が期待できる大きな特例制度です。
ただ、勘定科目に関しては「減価償却費」のまま変わりません(固定資産であることには変化は無いので)。
その場合、分かりやすく摘要欄に「少額減価償却」など記載しておくと分かりやすいと思います。
特例には限度があります
30万未満であればいくらでも・・・というわけではありません。
年間に300万円までと決まっているため、それを超える固定資産は耐用年数表を元に減価償却していくことになります。
なので、備品を導入する際は300万以内にして、翌年に更に買い足す…といった方が賢い節税になると思います。
更に20万未満にも特例が!!
特例はもう一つあります。
10万円以上~20万円未満の場合、減価償却費を3年間にすることもできます。
これは耐用年数に関わらず、3年間で均等償却する制度です。
金額判定って税込み?税抜き?
疑問になることはまだあります。
例えば9万5千円で購入したものであれば、消費税10%の税込みであれば104,500円です。
税抜で考えれば消耗品費ですし、税込みで考えれば固定資産です。
これは、その企業の経理処理によって変わってきますので、どちらが正解とかはありません。
私の場合は個人事業主であるため、答えとしては「税込で判定」することになります。
税抜経理ができるのは、消費税の課税事業者のみであり、免税事業者(消費税を納めなくて良い企業)は税抜経理は利用できないからです。
免税事業者とは
ざっくりと言って小規模な個人事業主はコレに当たります。
具体的には年間の売上が1000万円以下です。
税込みで計算する場合、支払った総額をすべて経費として会計処理します。
逆に、なにか仕事をしたり販売したりして受け取った売上は、消費税も含めて売上として計上します。
なので、帳簿としては税別で処理しなくて良いのですごく手間がラクになります。
まとめ
10万を基準に
【未満は消耗品費】/【以上は減価償却費】
これだけを覚えておけば間違いはないです。
色々とややこしいので、まずはこれだけで。
30万未満の一括償却は「そういうのもできなくは無いんだなー」ぐらいを頭の片隅に置いといて、決算前にものすごく売上が上がっている時には、経費を増やして節税したいので、その時になって初めて考えてみても良いかもしれません。
ただし、一度耐用年数で減価償却していくと決めたら、その備品は必ず2年目以降もずっと減価償却することになります。途中で残りの分を一括償却したり…なんていう都合の良いことはできませんので、必ず備品を手に入れたその期に判断して下さい。
実際の確定申告のやり方については以下の記事へ
それではまた。